12期の広場

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私の趣味「弓道」

8組  八島 平玐 
 
 最近は、朝ドラや、お正月の京都三十三間堂の通し矢等、テレビで、弓を引く場面が時々見られるようになりました。私も趣味の一つとして和弓を続けています。弓道は学生の時にやっていたものをリタイヤしてから再開したものです。 最近は弓道人口も増え、私の属しているクラブ(高津弓友会)の毎月の例会でも50人近くが参加します。男女差がなく、年齢も高校生位から最高は92才のメンバーまでがいます。
 私の通っているのは大阪城にある弓道場で、午前、午後、夜間の3部制となっており、午前は、主に、我々のようなリタイヤ組と女性が、夜間は、勤めのある会社員や学生と、夫々稽古に励んでおり各クラブの称号者が先生として後輩を指導してくれています(ボランテアで)。
 大阪城道場に席を置いているのは主として5クラブですが、クラブに属していない人も混じって練習しています。道場で、半袖の白の稽古着、黒の袴、白足袋を履き、胸一杯に自分の矢束(やづか)分を引き込みつつ体の中心で矢を放つ、カンと弦音がしてポンと的のはじける音、これが1日に1回出るかどうか? この射を求めて週2日、道場に通っています。和弓は洋弓と違い弓の中心が真ん中ではなく下から3分の1のところに矢をつがえます。このため、弓を引き絞ると非常に美しい形となり世界でも類がなく和弓独特です。諸説がありますが馬上で弓を引くためではないかと言われています。
 武器としては、飛距離、的中率の面からは洋弓の方が上ですが、運動面、精神面では、和弓の方が優れていると考えます。和弓では、射位から的までの距離は、28m、的の大きさは36cmです。競技では、的中数を競いますが、稽古では、当たりだけではなく体配(たいはい)を大切にします。射場で、弓を引き絞った時、丹田と呼ばれるお臍の下に力をため、両足を踏ん張り、左右両胸、両肩、両腕、更に体から頭の上の方にと力を伸ばし(縦横十文字)、気力が充実した上で矢を放つ、体の何処かに偏りがあると矢は素直に飛ばず良い射とはなりません。息合い(いきあい)、体のバランスと精神の安定が大切であり、これが和弓が立禅と言われる由縁なのです。とは言えこのように弓を引けるのが目標であり、四苦八苦しているのが現状です。
 
 通常、竹弓は、外・内2枚の竹とその間に両側の側木に挟まれて3~5枚の竹のヒゴが入った組合せを貼り合わせて出来ており、これにより反揆力をだすようになっていますが、最近は合成樹脂で出来た弓も使われるようになってきました。弓の強さは、10kg~24kg位あり引く人の体力に合わせて使い分けます。又、矢も引く人の体格(腕の長さ)に合わせて長さが決まり(矢束という)、特に竹矢では節の数と位置が矢に合わせて四ケ所決まっており、節の長さの合った竹を2本、4本と揃えなければならず(甲矢:はや、乙矢:おとやの2本組で一手、通常二手必要)価格的に高くなるのに対して、ジュラルミンやカーボン素材を軸とする矢が用いられるようになり道具の取り扱い性の向上や価格の廉価化と、時代の変化が見られます。更に、矢羽根に対しては、従来は鷲・鷹が好んで用いられてきましたが、希少動物保護に対するワシントン条約の点からそれらの羽根の使用に対して制約がかかるなどが問題となってきています。
 弓を握って50年以上を過ぎましたが仕事による中断があり、中抜きのため若い元気のよい会員には勝てず追い越されていますが、現在五段を貰っており何とか錬士を取ろうと目下奮闘中です(錬士からは先生と呼ばれます)。
 弓道はあまり激しい運動ではありませんが、前述のように、お腹に力を入れ、背筋を伸ばし、精神を集中すると言った点で、静と動を併せ持ったすばらしいスポーツと考えます。

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