12期の広場
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2019年10月1日
四季の花篭 ― つれづれに ②
6組 高見 政博
秋です。秋というと9.10,11月をさしますが、昨今の9月はまだ夏ではないかという気がします。
さて、秋に咲く花というと「秋の七草」を思い出します。「萩、桔梗、尾花、撫子、女郎花、葛、藤袴、秋の七草」といずれも華やかさはあまりありません。
そんな中で、一番に思い出すのは「彼岸花」「コスモス」でしょうか。昨年のラインアップの写真に選ばれたのは9月の花は「彼岸花」、10月の花は「コスモス」11月の花は野菊の仲間「ノコンギク」でした。
でも、それ以外に咲く花は多くあります。けなげに咲く姿を幾つかを紹介します。
「サラシナショウマ」です。「サラシナ」は若葉を水に晒して食したことから「晒し菜」。「ショウマ」は「升麻」 漢方で本種の根が鎮痛、沈静薬となることからの名前です。
花穂の長さは20~30㎝。小さな花が無数について1本の花穂になっています。
遠くからでも良い匂いが漂います。その匂いに誘われて蝶や虫たちが集まります。このときはアカタテハがとまって夢中で吸蜜していましたので、共演してもらいました。
「マツムシソウ」です。この花が咲き始めると高原は一気に秋の気配がただよいます。
花の大きさは3㎝ほど、高山の花としては大きなほうです。
詩人の立原道造が詩にうたっています。それでこの花にあこがれていました。初めて見たときは、大柄な花なのに、派手さは無く、どこかはかなげで寂しそうな姿に感動しました。名前の由来は「まつむし(すずむし)」が鳴く頃に咲くからとか、種子の姿が、巡礼が持つ「松虫鉦」に似ているからと言われています。
「カワラナデシコ」です。
日本女性の象徴のようにいわれ、女子サッカーのナショナルチームの呼び名が「なでしこジャパン」ですが、私はこのような扱いには違和感をおぼえます。今の日本女性は個性豊かで、それぞれにそれぞれの場所で活躍されています。それを一つのイメージに十把一絡げに括ってしまうのは女性に失礼ではないかという思いが消えません。
そうはいっても、繊細で細やかな表情をしておりながら、雑草の中で凜と咲いている姿は芯の強さを感じさせます。その意味では日本女性の象徴も強(あなが)ちピント外れでもないかもしれません。
「エノコログサ」です。
通称「ネコジャラシ」
道ばたで少しでも土があれば生えてきて、雑草として厄介者です。実際抜いても抜いても、ほんの少し根が残っているといつの間にかはびこって、大群落をつくります。
でもそれが雑草の雑草たる所以で、その生命力は感嘆します。
この写真は夕方陽が傾きかけた頃、少し赤みを帯びた光を受けて「芒(のぎ)」が輝いたのを撮りました。
厄介者もこうして見ると輝いて見えます。
「キイイトラッキョウ」です。
花がラッキョウに似ていることからの名前で、ラッキョウが採れるわけではありません。
一つの花房は1~1.5㎝で、小さな花が数十個つきます。
このほかに似た花が咲く「ヤマラッキョウ」があります。
最初に書いたように、秋の花は 概して地味です。しかし、与えられた環境の中で精一杯咲いている姿に感銘を覚えます。拙い作品でそんな姿が伝えられたか心配ですがご覧ください。
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