12期の広場

12期の広場

豚汁会に行ってきました。

 3月5日、市岡高校同窓会の恒例行事、「豚汁会」に行ってきました。
 久しぶりの母校で、在学時通いなれた当時の裏門(現在はここが正門)から入ると懐かしさがこみあげてきます。3月初旬にしては暖かい日でした。正門から会場の「100周年記念会館」までは縦長の運動場の横を通るのですが、野球部の練習風景はなく、代わりに女子ソフトボール部の皆さんが一生懸命に練習していました。キビキビとした練習風景を見るのは心地よいものです。男子生徒と女子生徒の比率が逆転し、女子生徒が多いせいなのかな、などと思いながら敷地の南西にある会場に到着しました。
 12期同窓生の参加者は、酒井八郎君、川村浩一君、岸川常正君、田端建機君、古藤知和子さんと私、張志朗の6名でした。
 定刻の12時、全体同窓会の佐藤会長の挨拶から会が始まりました。
 冒頭、佐藤会長は、明治37年から始まった「豚汁会」について「一時中断がありましたが、新制高校なった戦後からは絶えることなく続く、市岡高校独特の恒例行事であると」と紹介され、続けて6日の入学願書締め切り日を前に、入学志願者数が定員をオーバーしたことを報告されました。参加者は勿論、市岡にゆかりのある皆さんが、心配していた問題だけに、安堵の溜息が広がりました。
 続いて旧制中学45期の益正行大先輩の乾杯の発声で、会食が始まりました。
 まずは会の名称になっている、豚汁です。暖かかったとは言え、早春の一日、また時間も正午ですから、熱々で美味の豚汁は絶品の「御馳走」です。100年以上も前の母校で教師と生徒が一堂に会して和気あいあいと豚汁を食べたことに思いが至り、時は流れ時代は変わりましたが、その味は格別なものでした。食糧難の時代背景があって中断された後に、戦後、同窓会が主体になって復活し、今日にいたっていると言いますから、他校にはない自慢の行事と言えるのではないでしょうか。
 豚汁会に参加していつも思う事ですが、80才を越えた旧姓中学の大先輩から、つい最近卒業したての若い同窓生まで一堂に会することが出来るのは、まさにこの会ならではのことで、この行事を絶えることなく続けてほしいと言うことです。
 会も一段落したところで参加者の皆さんのショートスピーチがありました。このスピーチは参加者の皆さんが学ばれた時代と学校生活の一端をうかがい知ることが出来るもので、古い校歴を持つ市岡ならではのもの、大変興味深いものでした。
 戦時中の「住友伸銅所」(住友電工の前身)の防空壕で空襲に曝された話や、旧制中学から新制高校への移行で男女共学になり、市岡高等女学校(現在の港高校の前身)などから女子生徒が入って来た話、旧制中学43期で入学し、新制高校第1期での卒業した話や、「窓ガラスは割れ、ボロボロの校舎」で勉学とクラブ活動にいそしんだ話など、話題は尽きませんでした。スピーチはさながら市岡の歴史を俯瞰するよう展開して、一筋に連なる言葉と想いを通して、校歴とは、伝統とは何であるかを考えさせられました。
 12期の皆さんもショートスピーチをしました。酒井君は彼の教え子が姪にあたる11期の先輩との出会いに人の縁を痛感した話をし、川村君は現在の関心事が「古都としての『京都』と時代としての『昭和』です」とますます盛んな好奇心について話しました。豚汁会の会場で「タカラジェンヌ誕生」と書いた、資料をもらったのですが、演劇と映画鑑賞が今もっとも興味があることと言う岸川君は「ついに市岡の卒業生にタカラジェンヌが出る時代になったのか」と会場をわかせました。田端君は「先輩と持病の話を楽しんだ」と元気一杯で、古藤さんは山歩きと町内会のお世話にいそがしいとこれまたお元気です。私は役目通り、「『12期の広場』を見て下さい」とアッピールしました。
 締めは恒例の市岡高校吹奏楽部OB・OGバンドの演奏でした。この日編成は29名で、参加者に合わせた選曲とアンサンブルです。「となりのトトロ」に始まり、「美空ひばりメドレー」が入るなど、会場は大いに盛り上がりました。
 OB・OGバンドは2月26日に第9回定期演奏会を終えたばかりです。会場は「エルシアター」で観客数が420名の大盛況だったそうです。残念ながら私は所用のため参加できませんでしたが、「豚汁会」の会場でOB・OGバンドのトロンボーン奏者の高橋正憲(高校18期)さんからその時のアンケートについての「解析まとめ」を頂きました。「まとめ」はA4版で22ページにわたる労作で、ここに収録された248の感想文は、実に多彩、心あたたまるものでした。紙幅の関係上、多くは掲載できませんが、高齢者のいくつかを紹介します。
 「アンサンブルステージ、良かったです。中高吹奏楽を聞く機会が多い中、大人の演奏を楽しませてもらいました。」
 「市岡高校の大ファンです。情報が入らず、苦慮しています。市岡高校の演奏に加えて礼儀良さに感銘を受けています。今年こそ全国大会に行ってもらいたいものです。OB・OGバンドも吹奏楽コンクールにエントリーされてはいかがですか。」
 「音楽はみんなの心をひとつにしてくれる。すべての曲に勇気と元気をいただき、若い皆様と一緒にたっぷり楽しませていただきました。次回お会いする日を楽しみにしております。」
 定期演奏会は次回が第10回目です。次回は万障繰り合わせて必ず行って見ようと思っています。読者の皆さんも是非、ご一緒下さい。
 「豚汁会」は午後2時過ぎ、OB・OGバンドの力強い伴奏で校歌を斉唱してお開きとなりました。
 

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