お知らせ

2018年

浦島太郎 奮闘記

5組  山本(古荘) 久美子
 
 言葉も環境もまるで違う遠いカナダでの生活も40年が瞬く間に過ぎてしまいました。
 毎年帰国する私を暖かく迎えて下さる大阪の同窓生の方々には、言葉に尽くせぬ感謝の気持ちでいっぱいです。
 今年は、それにもう一つ、大きな出来事が加わりました。柏木赫子さんの熱心なお勧めで、東京12期会へ参加することになったのです。
私は新大阪から新幹線に乗り、柏木さんは名古屋から乗車。新幹線は早すぎて、ゆっくり長旅を味わうという雰囲気ではありませんが、それでも楽しいひと時でした。
 新幹線の車窓から何十年ぶりかで見る富士山は、裾野まではっきり見え、荘厳な姿で私たちを魅了しました。
 東京では児玉恭子さんが、御茶ノ水駅近くのホテルを予約してくださり、会場にも近くて大助かりでした。
 御茶ノ水駅近辺は、いくつもの地下鉄道が網の目のように交差していると、テレビで見たことがあります。路線がくもの巣のように入り乱れていて、複雑な地下構造に驚きました。
 半世紀前の「山手線」しか知らない私にとって、東京は一人ではどこへも行けないマンモス都市と化していました。名称が「地下鉄」ではなく、「メトロ」に変わったのはいつでしょう。私の住んでいる トロントの縦横2本だけの「地下鉄」からは、想像もできないような複雑さに驚いています。
東京12期会での皆さんとの再会は、私にとって卒業以来の事。
 毎年会う大阪の人達も何人か参加されていて心強く、半世紀ぶりに会う東京の人達を覚えているかしらと
最初は不安でした。でも皆さん暖かく迎えて下さり、忘れていた高校時代の少年少女の面影も瞬時によみ返り、半世紀以上の歳月も吹っ飛んでしまいました。
皆さん和気あいあいとした雰囲気で、ずっと変わらぬ友情で結ばれているのだなと、羨ましくなりました。
 会の後はみんなでカラオケ。 その夜は、高層ビルの夜景の美しいレストランでの食事とおしゃべり。翌日はスカイツリー見学と、盛り沢山の行事を組んで下さっていて、この上なく充実した時間を過ごすことが出来ました。スカイツリーから眺める東京のビル群は、まるでマッチ箱のよう。巨大化した東京は、私にとってまるで未知の“外国”です。特に最近の若者の言葉は、外国語のようでとてもついて行けません。
 スカイツリーを降りてからの出来事は、想い出に花を添える? 忘れられない出来事です。
 展望台での雑踏の中、やっとエレベーターを降りてほっとしたのもつかの間、当たりを見回しても顔見知りが誰もいないのに気が付いたのです。その辺を探し回り、空しく何度も店を覗き……。でも誰もいない。
 すぐそばにあるエスカレーターを降りても、その後 行くべき場所がわからない。
 ホテルに帰ろうかという考えも頭の隅に浮かんだのですが、その旨連絡する手段もない。 
 途方に暮れて…、その場にじっとたたずんで30分くらいも経ったでしょうか。 張さんの姿が見えた時には、安心して涙が出そうになりました。聞けば、迷子の私のためにあちこち探したり、アナウンスをしてくれたりしたそうで、皆さまには大変ご心配をお掛けしました。
 終戦直前、和歌山にいた時に迷子になり、よその家の軒下でシクシク泣いていた、おかっぱ頭の幼児だった私の姿が、擦り切れたフィルムのように脳裏に浮かびました。あの頃から全く成長していない私が情けなくもありました。
 皆さんと会えて元気を取り戻したあとは、小春日和の中で楽しく過ごしたランチタイム。浅草の人ごみや、帰りの複雑な交通網の中、すっかり浦島太郎になった私は、また迷子にならないように、必死で皆さんの後をついて行きました。
 皆様、たくさんの楽しい想い出をありがとうございました。

 

花の都 12期会(スカイツリータワーハプニング)

7組)  柏木(後藤) 赫子
 
 12年ぶり2度目の参加でした。
 トロントから帰国中の山本(旧姓:古荘)久美子さんをお誘いしての出席でした。
 山本さんはカナダに移住して42年、毎年夏季休暇を利用して帰国され、倉森(旧姓:津田)田鶴子さん(5組)、私と三人一緒に友情を温めてきました。10数年前から関西近郊の同期生が集まり“古荘さんを囲む会”が発足。大阪、京都、神戸etc.でお食事会を重ねてきましたが、昨年より山本さんの帰国が秋となり、今回初めての同窓会参加となりました。
 二人で上京する新幹線で、頂上に雪を頂いたそれはそれは美しい富士山を見ることが出来、又、11月11日、12号車、11番DE席という12期生の12、しかも11がトリプルという偶然が並び、何か良いことがありそうなワクワクした気分で東京駅に到着しました。
 ホームで児玉(旧姓:青木)恭子さんの出迎えを受け、霞が関ビル35Fの会場へ。既に大阪からの7名は到着しており、温かい拍手で迎えていただき会がスタートしました。会場の窓から立法府の国会議事堂、首相官邸が眼下に見え、思わずシャッターを切りました。
 参加者の近況に耳を傾け、和気あいあいと高校時代の思い出etc.(3時限と4時限の休憩時間に食堂に走り素うどんを食べたことなど)に花が咲きました。東京12期会は大阪の同期会と異なり小人数ですので、参加者がひとつにまとまり、会話が弾み愉しい時間が過ぎて行きます。
会の終了後、二次会は新橋に移動してカラオケタイム。久しぶりに山田正敏さんの“桂春団治”、四・八コンビ、張()朗さん酒井()郎さんの“涙をふいて”を聴かせて頂きました。お二人の強い友情と絆を聴く度に感じる曲です。女性陣も皆さんお上手なこと‼ 山本さんと私は唱歌“灯台守”を二部合唱しました。
 夕食は新橋の高層ビルのレストランで、宝石をちりばめた様な夜景を見ながらお食事と会話を楽しみ、ホテルに着いたのは10時前。私達三人はクラブ(筝曲部)が一緒で山本さんと児玉さんは卒業以来57年振りの再会でした。三人寄れば“かしまし娘”ならぬ“かしましsenior women”で笑い転げて眠りに就き、一日目が終了。
 翌12日も好天気‼ 9時半にスカイツリータワーの4Fフロアに14名が集合。エレベーターで展望台に上がり、再び富士山を目にすることが出来、巨大都市東京の大パノラマに圧倒されっぱなしでした。エレベータで5Fフロアまで下り、ひと休みしてタワーを後にしましたが、ここで予期せぬハプニングが起きました。
 スカイツリータワーをバックに記念写真を撮ることになって、山本さんの姿が無いことに気付き血の気が引きました。この雑踏の中で彼女を探し出すことは至難の業。連絡を取る術が無い私は狼狽し、心臓がパクパクと動悸し慌てふためきました。張さん、泉さん、大石橋さんと一緒にタワーの方に戻り、泉さんは館内放送に走り、張さんは5Fフロアへ、大石橋さんと私はタワー周辺と手分けしました。間もなくすると「カナダトロントからお越しの山本久美子様、山本久美子様、泉様がお待ちです。受付カウンターまでお越しください」と、アナウンスが聞こえてきました。やがて「見つかった」との連絡が入り安堵したことは云うまでもありません。山本さん!!不安な思いをさせてしまって本当にゴメンナサイ。
 全員が揃ったところでタワー近くのDOG・DEPT・CAFÉのテラスでランチ。お犬様用のメニュー(1200円)に驚き、日向ぼっこをしながら開放的なランチタイムを楽しみ、その後、徒歩で浅草・浅草寺へ。余りの人混みに日頃地方都市で静かに暮らす私は、人に酔ってしまいました。ここで皆様方とお別れし、私達3人はホテルに戻りました。
 
◎東京12期会に参加して
 後期高齢者に突入して体調にも不安があり、今回が最後の出席と云う思いで上京しましたが、余りにも愉しくて、まるでseniorの修学旅行の様‼ 次回もぜひ出席したいと強く思いました。健康管理に徹して2年後に備えたいと思います。
 今回、会長の大石橋さん、前会長の泉さん、事務局長の榎本さん、幹事長の山田さんには、大変お世話になりました。心からお礼申し上げます。
            See you again      K.Kashiwagi