12期の広場

12期の広場

卒業50周年記念文集“みをつくし”を読んで

3年2組 吉岡 佳子(旧姓 大澤)
 

 我が家の小さな鉢植えの白梅の花も散り、桜の蕾も赤くふくらみ春の訪れを告げてくれています。

 先日の同期会では大変お世話になり、ありがとうございました。同期会の席だけでは時間的にもなかなか深いお話ができず、ごく普通の会話に終始してきた私ですが、 “みをつくし”を楽しく拝読させて頂き、皆さんの人生の一端までを垣間見れた想いで、大変嬉しく思っています。それならば私も投稿して卒業後の道のりを共に語り合いたかったと後悔しつつペンを取りました。

幼い頃、甘えん坊で泣き虫だった私は5人兄姉の末っ子として生まれました。両親の溺愛のもと、何不自由なく育ち、結果、依頼心が強く、我がまま。高校時代、食欲モリモリの太っちょな、どうしようもない少女でした。高校入学当初、母は私を医者に(早く死去しました身内が町医者だった影響か?)したいと思って、家庭教師までつけて、教育熱心だったのですが、一向に成績が上がらず、落ちこぼれの私に母の夢は、はかなくも消え去りました。

 卒業間近になりどんどん就職先が決まっていく仲間たちに、私は劣等感を抱いていました。就職先も決まらず、先生方には頭の痛い生徒だったと思います。ゴメンナサイ。

 卒業して一年余り経ったある日、「声が綺麗」と言われたので、姿形の見えない電話交換手になろうと決心し、会話の仕方、ボイストレ-ニング等習い、その資格を取得しました。チャンスが来ました。たまたま見た新聞の「寿屋」(現在のサントリ-)の電話交換手募集(有資格者)の文字が目に入りました。早速応募しました。

 その日、中之島のフェステバルホ-ル7階の本社前にぞくぞくと人が集まり、会社の説明によると今回は2名のみの採用とか。大勢の人達(50人以上は来ていた?)の溜息と共に一次試験のクレペリン検査及び4教科の筆記試験を受けました。2,3日経って、二次面接の電報が届きびっくりしました。残った6名の中には縁故関係の人も1名いたので、絶対無理だろうと思っていたのが、幸いにも入社できました。後で聞いた話ですが、社内に市岡出身の才女がいたからとも聞かされました。諸先輩方、ありがとございます。

 又、今の様な携帯電話が発達していなくてヨカッタワ。

 主人と縁あって結婚する迄、明るい声のみでお給料を頂き、10年が経ちました。甘い結婚生活を夢見ていた私の試練がそこから始まりました。1組の鈴木政子(旧姓 酒井)さんと同時期、私35才、主人が41才の時、主人が突然脳卒中で倒れました。1年後復帰したものの、又もや2年後再発、2度目の開頭手術を受け、医師も「今回は保証出来ない。植物人間も覚悟してください。」との言葉に、私はその場に泣き崩れました。幸いにも死から生還した主人は後遺症も軽い言語障害のみで、元気に歩く姿に医師も驚き、学会で発表されました。

 しかし会社は退職を余儀なくされました。

 それからの私は、5才と3才の息子を保育園に預け、再就職した近くの病院の薬局部門で働きました。院内の忘年会などで上司に、「おまえも苦労するなぁ・・・」と言われバスタオルが要る程涙した私に「ニコニコしていたらきっと良い事があるよ!」との言葉を信じて定年まで必死に働きました。

 私の唯一の自慢の息子達は優しく、長男は大阪大学基礎工学部を卒業した後、シャ-プ(株)に入社、一児の父親に。また次男は高校卒業後就職、一生懸命働き、21才で彼女の為、結納金100万円と結婚式費用を自分で貯め、リ-ガ-ロイヤルホテルで盛大な結婚式を挙げ、私たちを喜ばせてくれました。その息子も3児の父親に成長しました。 たまに家族揃って食事をするのが楽しみです。

 現在、私は老人ホ-ムなどでボランティア活動をするなど精一杯、楽しく頑張っています。小さい頃習った大好きな日本舞踊も再開し、昨年9月に国立文楽劇場にも出演させて頂きました。日本の伝統文化である日本舞踊を足腰の動けなくなる迄、続けてゆきたいと考えています。また、週3回、早起きしてグランドゴルフを始め、健康保持に努めています。キラキラ輝けなかった暗い青春時代、辛かった結婚時代。それらを取り戻したかの様な“時”を今過ごしています。


<平成20年9月国立文楽劇場で「祭り華」を踊りました。>
 

 ちなみに主人は75才。介護ホ-ムで元気に暮らし、少々ボケた私より頭は確かです。2年後、新たな1ペ-ジを加えるべく、“みをつくし”を片手に皆様と共に元気にお目に掛かれるのを楽しみにしています。


<平成21年10月 隆(主人)の誕生日を子供・孫達と共に自宅で祝いました。>
 

 山あり谷あり川ありの私の人生、今まで出会った人達、事、健康、すべてに心より感謝しつつ・・・。

 誠にありがとうございました。

2010年3月10日

-HP委員からのお知らせ-

吉岡佳子さんは3月20日(日曜日)、大阪の国立文楽劇場大ホ-ル(大阪市中央区日本橋1-12-10 午前11時開演)において日本舞踊の発表会に出演されます。
お名前は「若柳吉佳」で義太夫の「蝶の道行」を踊られます。
興味がお有りの同窓生にはチケットが頂けるとの事ですので吉岡さんに連絡してください。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です