12期の広場

12期の広場

川歩きのおまけ

8組 榎本進明

 第9回の帰りの列車の中での話。次はどこにしようかということになって「荒川」と決まった。 荒川の源流は標高2475mの甲武信(こぶし)岳直下にあり、約2200mから湧き出る水を最初として、東京湾まで流れ出る延長173kmの川である。秩父側から水源まで歩いて辿り着けるかは調査をしていないが、登山になることには間違いない。

 そんな話をしていると、もともと登山に自信のない山田と川合も今まで登ったことのない高尾山なら登りたいと言ったので、急遽計画することになった。標高599mで六甲山よりはるかに低い山を、往復ケーブルカーを使って登ることにした。 このケーブルカーは、高低差271メートルを一気に1分強で昇り降りする日本最急勾配30度8分のケーブルカーである。

 男性は利根川メンバー6人に加え、高尾山に近い地元八王子の萩原君(8組)、そして女性4人、杲田さん(2組)、高谷さん(2組)、坂野さん(2組)、藤原さん(1組)を誘い、総勢11人で7月14日(木)登ることになった。

 おりしも当日は気象庁が初めて高温注意報を発令した歴史的な日で、こんな日に外出するのかと女性たちはしり込みする始末。高尾山口に13:00集合という時間も一番暑い時間帯。「来ているかな?」と心配して列車を降りると立派な登山スタイルの面々が勢ぞろいした。計画名を「高尾山登山」から「高尾山納涼ハイク」と名前を変えなくても良かったのだと苦笑いをするほどだった。

 ケーブルを降りるとそこは意外と吹く風は涼しく「山だな」と感じてゆっくりと歩き始めた。 途中、一番きつい坂は山頂まで230余段ある『薬王院』の石段で、それから上はルンルン気分で歩くことができた。 頂上は涼しくてそよ風の気持ちよさ、富士山には雲がかかり見えなかったが木陰でのんびりと休んで話に花が咲いた。川歩きの打上げは出来なかったが、皆さんのおかげでいい思い出になった。

 頂上を後にしてケーブル頂上駅まで戻り、ビアガーデンでメインイベントの「納涼会」を実施。木陰の最高の位置取りで夢のようなひと時を過ごした。高尾山には10数回来たがこんなにリラックスしたのは初めてで、下界の暑さを想像すると立ち上がるのも惜しいひとときだった。

 山の端に日が沈む一瞬を皆で眺め、マジックアワーの中をケーブルに乗り込む。そして、それぞれが自宅に戻る。駅に降り立つとうだるような暑さが待っていた。しかし、シャワーをして落ち着いた後もまだ今日の高尾山の余韻が眠ってしまうまで残っていた。


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