12期の広場

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ひたむきさと微笑み、そして我が人生


6組 畠平 雅生
 

 2011年7月18日未明に行われたFIFA女子ワールドカップ・ドイツでの優勝戦。対戦相手は一度も勝ったことが無い米国チーム。日本チームは猛攻に次ぐ猛攻に耐え、先制されつつも引き分けへ。延長戦に入って先制されても慌てず奇跡に近い反撃を行って2対2の引き分けからPK戦へ。

 アメリカの選手は勝って当然の相手に引き分けられて衝撃を受け、追い打ちをかけるようにPK戦では最初のキッカーがボールを止められて更に動揺して平常心を失ったか?この時点で勝負有り。

 PK戦は3:1の成績で日本が勝ってワールドチャンピオンに!

 取り組む姿勢と精神状態で結果は見えていたとも言えます。

 実力以上の相手に対して真摯に粘り強く常にあきらめない。ただひたむきに積み重ねた努力と自分達の仲間を信じる一体感。此の姿を生み出したのは、パートで働いて生活費を稼ぐ・遠征のため生活費を切り詰める・毎日会社から1時間以上掛けて練習場に通う等々練習環境も良くない中、競技への思いが粘り強い心を育て、この積み重ねによる絆が一体感を生み出したのでしょう。

もし彼女達が優勝を逃したとしても、優勝と言う高い目標とその姿勢やゲームに対するひたむきな姿は私に同様の驚嘆を与えてくれたでしょう。

 活躍した選手も小さい人は身長が154cmと最近の女性の中でも低い位。目立たずひっそりと咲くナデシコの様。多分彼女達と道ですれ違ってもワールドカップの優勝選手達だとは気付かないでしょう。

 それ以上に凄いのは、そんな彼女達のPK戦に臨む時の姿です。

 PK戦が始まる前の選手達の表情を写した映像を見て驚いた。皆がすがすがしい顔をしてニコニコと微笑んでいる。力が抜けた良い表情です。一流の野球選手がバットを持って打席に立つ時、バットは握らずただ軽く支えているだけ。ボールを打つ瞬間にバットをしっかりと握って強く振り抜く姿。剣道の奥義にも通じるリラックスした待ちの姿勢と似ています。

 市井の片隅で平凡に生きて来た私にとっても、此からの過ごし方を示唆し、教えてくれる大会でも有りました。

 膵臓ガンを発症し、この世の旅ももう終わり?私本人以上に心配し、世話をしてくれた友人や家族のかげで無事生還。

 以来7年が経って今年は古稀を迎えて節目の年です。加えて、3月11日に発生した東日本大震災により、人生のはかなさと人間の強さや愚かさを感じさせられた年でも有ります。

 会社運営や家族を支える責任。身の回りの事には自分が先頭に立って対処して行かなくてはと言った思い。今までのしがらみからも多少開放され、肩の力を抜いて、より自由な発想や視点を持った新たな気持ちで過ごすことが許される年の始まりです。 この事を教えてくれたのが、日本チームのあの微笑みでもありました。

 一つの戦いを終え、新たな気持ちで次の戦いへ臨んだ彼女達の心境と古稀と言う節目を迎え、次の人生へ向かう私の気持ちと今後の有り様にも合い通じるのではないか?その様な気がしてなりません。

 人生とは人が生きると書きます。日々健康に過ごすことが出来、交わる仲間達と語らいの時を持ち、ほんの少し誰かの役に立ち、精神的な豊かさを持って生きる。そして、彼女達のように嬉しい結果が得られれば・・・。

 そんな厚かましい思いで過ごしている今日この頃です。

“ひたむきさと微笑み、そして我が人生” への1件のフィードバック

  1. 6組 佐藤裕久 says:

     畠平さん、TU機械系同窓会誌今年度号の記事:「『明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい。』マハトマ・ガンジー」(by 筆者)のゲラ刷り訂正も終了し、後は出来上がりを待つのみとなりました。頂戴した“楽茶(らくちゃ)”の販売店(大阪本店)は、お袋が毎週のように通っていた聖天さん通にあることを兄に教えられびっくりしました。いろいろとありがとうございました。

     膵臓ガンは大変で、小生の義兄も20年位前に、50歳そこそこで亡くなりました。その罹患から生還され、7年も経過しているとのこと、すごいことですね。
     貴兄の生命力が凄いのだと思います。そのような生命力を支えている要素が何なのか、時々考えます。自分の好きなように生きることの他、人のためにも頑張るという要素も必要なような気がしています。
     前述の記事で、本文の関係で不可欠であったので、紹介させて頂いた、貴兄や当HPの7月号に執筆された、3組・清水誠治郎さんなどが参加されている国際的なボランティア団体:ワイズメンズクラブでの活動など、人のために自分が努力することも必要な要素だと、最近、感じています。

     話題は代わりますが、最近、マハトマ・ガンジー著、浅井幹雄監修『ガンディー 魂の言葉』が太田出版からでたようですが、原典(英文なら良いのですが)をご存知でしたら、ご教示下さい。                          佐藤裕久拝

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