12期の広場

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私の一時帰国

5組 山本(古荘)久美子

 カナダに移住して36年、カナダでの歳月が、生まれ育った日本での歳月を越えてしまいました。 初めの頃は日本の美味しい食べ物と美しい景色に惹かれての帰国でしたが、年齢と共に日本への郷愁の念が深まっています。それに加えてここ数年はもう一つの楽しみが加わりました。以前から交流のあった 後藤さん、津田さんを通じて 同窓生の皆さんと会えるようになったことです。 36 年のブランクで日本人にもカナダ人にもなりきれない私を 毎年歓迎して下さる皆さんの変わらぬ友情に感謝しています。

 この夏の一時帰国は 少し不安と怖さがありました。 3月11日の東日本大震災以来、原発、猛暑、大雨、台風が 続けざまに日本を襲ったことです。 未曾有の災害で被災された方々に対し のんびりと日本旅行なんかしても良いのか。 自粛すべきではないか。 日本滞在中に大地震に巻き込まれる可能性もあるのではないか。等々。

 そんな気持ちのまま日本に着くと すぐに一週間の小旅行に出かけました。
毎年感じることですが、日本 特に大都市の目まぐるしい変わりようには 目を見張るものがあります。 新幹線という大動脈を軸として巨大化する大都市と 忘れられたように過疎化していく地方都市とのギャップ。 特に今回 東京、京都、大阪、福岡に行った印象として “駅”と言う概念から大きく逸脱した、それ自身 巨大都市と化した“駅”には驚きとショックを受けました。

昔の日本を懐かしむ私には、時代の流れとは言え 寂しいものを感じます。
これからの日本はどうなっていくのだろうと、 一抹の不安と期待を持って 自分自身と日本という国を見つめていくつもりです。



古荘さんを囲んでの食事会

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