12期の広場

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圓尾君の“大作”を見に美術文化展に行って来ました

8組  榎本 進明
 「作品を見て、何かを感じてくれれば、それでいいんだよ」圓尾博一君の口ぐせである。
それでも「作者の意図が知りたい」のは筆者だけではないはずである。3.11の大震災時の作品でも同じことを言われた。でも、こちらも身をもって経験しているので、説明を受けなくてもわかる。今回、東京・上野の東京都美術館展示室の高い天井から床までの大作を観て圧倒された。
添付の文書に「作者の思い」が書かれているので、筆者なりに理解できたのであった。
 
 5月12日(木)美術館に集まったのは、5組・泉信也、6組・大石橋宏次、8組・萩原貞雄、8組・榎本進明、の4人であった。約1時間、11もある広いブースを急ぎ足で歩き、いよいよ彼の作品の前に。布製の大きな作品の前で記念撮影。作品の大きさが伺える。
 
 
 あっという間に一時間が過ぎて、雨の中、上野駅の近くの居酒屋で懇親会をして、近況を語り合って、お互いの長生きを誓い合った。美術展はいつも楽しい。
 

World Art Day と<ダ・ヴィンチ>知の行方 についての思い

6 組   圓尾 博一
 レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)の没後500年を記念して、彼の誕生日4月15日をWorld Art Day(世界アートデイ)とすることがユネスコIAA(国際美術家連盟)によって提唱され、昨年国連で承認されました。
 レオナルドといえば万能の天才として、世界中の人にその名声が知られています。
 ルーブルの至宝「モナリザ」は特に有名です。彼は終生手許において手を加え続けたといわれています。あの魅惑的なほほ笑みは万人の心を引きつけてはなしません。
 彼の完成作は世界に十数点と言われていますが、彼はそれらの絵画制作より多くの時間を手稿という形で、私生活から大自然や宇宙の成り立ちに至るまで膨大な論考を残しました。その中には大量殺人兵器といわれる光学兵器や戦車、速射砲などのアイデアとスケッチも残されています。
 彼の生まれた15世紀はペストによって壊滅した中世の終焉の後、ルネサンスと呼ばれる人間性への目覚めや讃歌と、自然科学の合理精神によって物事を見つめる時代の到来でした。彼が洗礼を受けた近代科学的な思考はその後の欧米の合理精神を決定づけ発展させて、今日に到っています。
 それは現在の私たちの今を規定する物差しとなっています。あの優美で高い精神性を湛えた彼の芸術作品と大量殺人兵器の間にどんな思考の架橋があるのか、それを考えてみることは、私たちの眼前にある世界のカオスの中で、芸術を試行するものにとって、その意味をみつける為の大きなヒントになると私は考えます。
 今世界には、何十回も地球を壊滅させられる数の核兵器が存在します。それを是認する愚かな論理はどこからくるのでしょう。長崎の被爆跡から発見された傷ついたマリア像とレオナルドが描いた「聖アンナと聖母子」を並置することによって、レオナルドに代表される西洋の科学的知の敷衍ふえんとして結実した核爆弾の存在をレオナルドはどのように考えるか。<ダ・ヴィンチ>知の行方—という題名で私はこの作品を提示してみたかったのです。それがWorld Art Dayに関する私の解釈でもあるからです。
 この提示は掘り下げの浅い未熟なものですが、見ていただいた皆さんの、忌憚きたんのないご意見がお聞きできれは誠に幸せです。
2021.4.15  作者拝

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