12期の広場

12期の広場

ひろばリバイバル

私、今、ヨルダンのアカバです

5組 段中 文子

 12期の皆様、毎日いかがお過ごしですか

 私はこの夏、台風が近づいていた7月19日に横浜を出航し、10月27日まで、101日間の地球一周の船旅にでました。船はピ-スボ-トのオセアニック号38,772トンです。

 豪華客船ではないので船賃も安く、船室は相部屋の一人旅です。西回りでベトナムから始まり、スエズ運河を通り、北欧、ロシアより大西洋、パナマ運河を抜けて横浜に戻るまで21カ国に寄港します。

 乗船者は1歳から92歳まで800人程で、男女 4:6位の構成です。他の客船と異なり、ポスタ-貼りなどのバイトで安く乗船出来る若者が多いのもこの船ならです。




サリーを着て船内のファッションショーに出演

 乗船前は「100日もの長旅なんて」と皆に言われたのに、レストランで同席したりして知り合った人の話を聞いているとリピ-タ-が多くて、「飛鳥」やその他の船に乗ったという人がいっぱいいるのには驚いてしまいました。

 年輩者も本当にお元気で積極的なので、この調子ならまだ当分私も大丈夫かなと安心したりしています。

 7月26日、はじめての寄港地 ダナン(ベトナム)に到着する。

 オプションで選んだのは世界遺産の街、ホイアン観光で、旧日本人街や日本橋とよばれる屋根つきの橋が今も修復しながら大切に使われています。

 車窓から見る風景はベトナム戦争の影はみえないが、米軍基地跡にリゾ-トマンションが次々と建っている以外はのんびりした田園風景や真っ青なビ-チです。美しい刺繍につられてアオザイ(ベトナムの民俗衣装)を作ってもらいました。

 7月29日シンガポ-ル、8月2日コロンボ(スリランカ)入港から8月13日アカバ(ヨルダン)までしばらく海の上が続くが、朝からヨガ、太極拳、ラジオ体操、ストレッチに始まり、「船内新聞」のメニュ-を見ながら興味のある所に参加する。のんびり過ごすつもりで乗船したのに講演会もあり、どの講座も満員で、熟年者の学習意欲には感心しながら、つい欲張って忙しい。

コロンボの港近くの商店街
三輪タクシー(ツクツク)が多い
道のそばでドリアンを売っている
赤い果物はランプータン
ドリアンを割ったところ
とても美味だがくせがあるので
シンガポールでは
持込が禁止されている
お店に来ていた可愛い子供

 真夏のインド洋は荒れるというが、8月4日頃から波が大きくなり、じっと立っていられない程船は大揺れになり、予防のため船酔い止めの薬を飲む。

 

 8月6日 ソマリヤ沖に出没する海賊船に備えて自衛艦が警護についてくれる。日本にいる時はニュ-スで知っても海賊なんて関心がなかったが、現実に自衛艦が前後を守り二列に並んだ船、13隻ほどが航行する様子は感動してしまう。

 空には時々警戒機の飛ぶのが見え、船は灯りがもれないよう窓全体に目ばりをしている。

 

 8月8日午後にやっとソマリヤ沖を抜け、自衛艦も離れると近くに見えていたタンカ-も一隻もいなくなってしまう。

 ところがその夜、私達のすぐ後にいたタンカ-が海賊に襲われたが被害がなかったと聞き本当にほっとする。

 8月9日、紅海に入る。

紅海に昇る朝日

 波はおだやかで、海水温が高いせいか遠くまで靄(もや)っている。砂漠の黄砂で太陽までもかすんで見えたりする。

 明日13日はヨルダンのアカバ。

 入港した時にこの手紙を出しますが、日本に届くのは何時になるのでしょうね。これから次々と港に入るのでその様子も又お伝えします。

 この手紙は9月15日に届きました。8月13日の投函ですから1カ月も掛かっています。遙か彼方のヨルダンのアカバは、やはり遠い所なのですね。ヨルダンでは「ジ-プでアラビヤのロレンスの世界に入る」そうです。

 ピ-スボ-トに乗るとの話を聞き、是非にと旅行中の手紙をお願いしました。

 こうして手紙を手にすると憧れの世界一周に単身出かけた「勇気」にあらためて感じ入ると同時に手紙を書いてくれたことへの感謝、感謝です。

 無事、航海を終えられことを願いながら、又の便りを楽しみに待ちたいと思います。

                                   HP委員 記

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