12期の広場

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「12期の広場」3月号のラインアップ

 「春は名のみの 風の寒さや  谷に鶯 歌は思えど
  時にあらずと 声もたてず  時にあらずと 声もたてず」(唱歌『早春賦』から)
 
 春は弥生の3月です。冒頭に書きだした『早春賦』がぴったりの時節です。
 今しがたも駅近くまで行ってきたのですが、ダウンジャケットに手袋までしていました。それでも、陽だまりを選るように歩くと、日差しに春独特のもわっとした暖かさを感じられ、街路樹やちょっとした植え込みのそこかしこに若緑の点々とした芽吹きを見つけることができました。「春はもうそこに」ですね。
 これから関西では東大寺二月堂の“お水取り”、お彼岸、選抜高校野球の開幕と続く「春の階段」を登りつめて、爛漫の桜にめぐり会う事になります。やはり暖冬とは言え冬をやり過ごしての早春3月の感興は格別です。
 今月号の上原澄子さんの絵手紙は「雛祭り」です。添え書きに「少しずつ春が近づいていますね。今月はお雛様を描きました。顔がむずかしくて何度も描き直しました。」とあります。女の子のお祭りですから、私には経験がありません。お呼ばれもなかったのでショーウインドウのひな飾りを目にするだけでした。ふと、白酒やあられ、菱餅の宴はどんなだっただろうと、思ってしまいます。
 先日、母校の創立100周年記念誌を見ていて興味深い記録を見つけました。「校内マラソン大会」を覚えておられますか。マラソンと言えば、冬ですが、市岡高校では11月14日~22日の土曜日、短縮2時限の授業後に行われていました。距離は男子が10.2km、女子が6.8km(3年次の記録)です。コースは、普段使わなかった狭い裏門を押し合いへし合いして出て、安治川沿いを走り、天保山から折り返し、正門から入ってのゴールだったようです。
 そこに順位記録が残されており、12期の同窓生が上位に名を連ねていたのには「ビックリポン」です。
 高校1年次が第10回マラソン大会。団体成績では1位から3位まで1年生である12期のクラスが独占、個人男子で北尾晃君が2位となっていました。翌年の第11回大会ではなんと、個人男子、女子ともに1位から3位までを12期(男子1位 高市恒和、2位 北尾晃、3位 森武雄、女子1位 宮崎郁子、2位 中島久美恵、3位 大川澄子)が独占していました。3年次が第12回大会で、男子は駄目でしたが、女子はまたもや1位から3位までを12期が独占しています。1位がなんと絵手紙の作者の大川澄子さん、2位が宮崎郁子さん、3位が松谷美智子さんとなっていました。テニス部、バスケット部の所属で12期きってのスポーツウーマンだったのですね。脱帽することしきりです。残念ながら松谷美智子さんはすでに鬼籍に入っておられます。上位の颯爽とした韋駄天ぶりに比して、ダラダラと青息吐息で走っていた自分の姿が思い出され、「さもあろう・さもありなん」と納得しつつも少々恥入っています。
 
 さて今月号の12期の広場は次の通りですと書きたいのですが、残念ながら1本のみです。ご容赦宜しくお読みください。

1.  「市岡高校吹奏楽部第8回定期演奏会が開催されました。」
以  上

「市岡高校吹奏楽部OB・OGバンド第8回定期演奏会」が開かれました

 2月21日(日曜日)午後2時から阿倍野区民センター大ホールで開催された「市岡高校吹奏楽部OB・OGバンド第8回定期演奏会」に行ってきました。
 なくなった4組の内田勝章君に誘われて初めて定期演奏会に行ったのが、2011年2月。当時が第3回で、今回が第8回ですから、5年ぶりです。JR天王寺駅で降りて急ぎ足でギリギリ、開演に間に合いました。




 すでに会場は、ほぼ満席(会場は660席)。ようやく中央の右はしに空きを見つけて着席後、間もなくの開演でした。
 今回の演奏会は3部構成で、第1部がオリジナルステージ、第2部がアンサンブルステージ、第3部がポップスステージとなっていました。
 「コンサートマーチ『テイク・オフ』」(作曲:建部知弘)の演奏から第1部が始まりました。
 舞台一杯にOB・OG総勢56名のフルバンドが登場です。指揮は42期の赤塚弘一さん。『テイク・オフ』(離陸)の楽曲名通り、開演にふさわしい、華やかさと力強さに満ちあふれたダイナミックな演奏に引き込まれます。続いて「Music in the Air」(作曲:アルフレッド・リード)と「フライト-大空の冒険-」(作曲:ベンジャミン・ヨー)が演奏されました。
 「フライト」は「若いパイロットの大空での経験」を音楽表現したものだそうですが、あたかも機上から空と海と緑の島々を俯瞰するような感覚と爽快さ感じました。特に一般的な楽器以外に、洗濯機の排水ホースのような形のもの(これも楽器だそうです)を振り回して音をだしたのにはその意外性と調和にちょっと驚きました。
 第二部はリコーダー、クラリネット、サキスホーン、打楽器、各パートのアンサンブルです。
リコーダーは8名で「ハイホー」(ディズニー映画「白雪姫」から)と他1曲、クラリネットも8名とパーカッション1名で「情熱大陸」(作曲:葉加瀬太郎)、サキスホーンは7名で「ルパン三世のテーマ」(作曲:大野雄二)他1曲、打楽器は7名で「星物語-風の章-」(作曲:野本洋介)をそれぞれ演奏しました。OB・OGバンドの打楽器は大阪でも指折りのグループで一昨年のコンクールで金賞を取ったそうです。そのはずです。十種類を超える打楽器を使いながらの繊細で余韻一杯の演奏に目を瞠りました。
 吹奏楽の醍醐味はスゥイングです。それがはじけたのが第3部のポップスステージで、舞台と客席が一体になって演奏を楽しみました。第3部のテーマは『踊り』です。
 楽曲は「踊り明かそう(マイ・フェア・レディから)」に始まり「Shall We Dance ?」までの4曲です。演奏も再びフルバンドです。したがって迫力は満点です。また各所に変調が入り、「あれっ、これってボサノバ?」などとスゥイングの自由自在さが際立ちました。
 演奏途中にソロが入る、掛け声が入る、最前列に並んでのダンスが入る、「ちびまる子ちゃんメドレー」では客席にまでおりて菓子袋を配るなど、盛り上がりは最高潮です。
 客席も手拍子で答え、中には体を揺らす人がいるなど、楽しさが会場中に充満しました。こうしていよいよエンディング。
 鳴り止まないアンコールの大拍手に答えて2曲-NHKの朝ドラ「あさが来た」の主題歌「365日の紙ヒコーキ」とスマップのヒット曲「JOY」が演奏されました。
 5年前の演奏会でご縁ができた高橋正憲(18期のトロンボーン奏者)に幕間、ちょっとご挨拶し、写真を撮らせて頂きました。18期ですからOB・OGバンドでの最高齢者でしよう。しかしご覧のように若々しく、今回の舞台でも抜群の存在感で、溌剌とした演奏をきかせてくれました。
 後日、お礼の電話をしてお話したところ、観客数は560人、また観客のみなさんにお願いしたアンケートの回収数が250数通、今までで一番多かったそうです。
 「精いっぱいの演奏が客席に届き、それがはねかえってきて演奏が一層、変わって行きます。これが生演奏の最大の魅力ですね。それを今回も味わうことが出来たことを大変嬉しく思っています。特に『楽しかった』『無料はありがたい。いつまでも続けて下さい』など、素朴ですが、感動的なアンケートのコメントにはいつも泣かされますよ。」と明るい声で語ってくれました。
 ほとんどが社会人であるOB・OGバンドの一番の悩みは、日常生活と仕事をやりくりしても十分な合奏練習の時間がとれないことだそうです。そんな中にあっての演奏者と客席の得難い交歓は、第8回を数えた定期演奏会を実現したからこそのものでしょう。
 そのご苦労に思いを馳せながら、市岡高校吹奏楽部OB.OGバンドの皆さんの更なる活躍を期待し、また応援して行きたいと素直に思いました。
(文責: 張 志朗)