12期の広場

12期の広場

第1回利根川 川歩き(平成19年10月30日~11月1日)その2

投稿者 川合兵治(4組)
その2:中州に爺さん(80歳)天使が現われる

 12キロといえば、今日のピーク時の歩行速度、時速約6キロでも2時間は掛かる距離だ。ましてや、その時はもう疲労困憊していて、時速5キロも出ない状況。小見川橋につく頃にはとっぷりと日が暮れているだろう。でも、とにかく歩かねば、まわりを葦と少々の畑地にはさまれた中洲では他の手段は選べない。と、その時、「もうあかん!血糖値が下がりすぎてしもたわ」と、突然、榎本がいった。「なんやそれ!」よく聞けば、実は血糖値が高いため、血糖値を下げる薬を常用していて、今朝も飲んだという。ところが、もともと運動をすれば、薬を飲まなくても血糖値は下がるものであるのに、その上に薬を飲んだために、下がりすぎたのだという。これはやばい!下手すれば命に関わる!何でもいいから食べるものがあればいいというが、3人のリュックには少しでも荷を軽くするために食べるものは一切入っておらず、まわりに人家はおろか人気もない。こんな中州ではタクシーはのぞめない、救急車を呼ぶしかないか・・・

 (またもや)と、その時、小さなエンジンの音がして、どこからともなく一台の白い軽トラックが堤防の脇を走ってくるのが川合の目に入った。それまで、足を引きずり何とか歩いていた川合が、脱兎のごとく走り出し、堤防を転がり落ちるように下りて、走ってくる軽トラックの前に両手を広げ、「助けてください!」と叫びながら立ちはだかった。トラックが止まってくれた。運転していたのは80歳の爺さん。事情を話すと快く3人を乗せてくれることを了解してくれた。ただし、軽トラックであるため乗れるのは運転手を含めて2人だけ。榎本は助手席でいいが、山田と川合は荷台に乗せるが違反になるため、警察の目もあるので小見川の町中まではいけないという。もちろん異論はございません・・・正に、地獄で天使だった!

 町に入った3人は、真っ先に目についたよろずや屋に飛び込み、榎本はそこらにあった食べ物を餓鬼のように頬張る―助かった!

 教訓:血糖値を下げる薬を飲んでいる人へ。運動する時は薬を飲まないこと!

 一息ついて、3人は明日から利根川歩きに合流する泉が待っている宿泊地、潮来の宿へと電車で向かった。潮来に宿を決めた理由は、「とにかく利根川にちかいところ」ということと、昔なつかしい歌謡曲「潮来の伊太郎」の舞台であっただけだが、確かに利根川に近かったが、それは「横利根川」といって霞ヶ浦と利根川を結ぶ運河であって、予想していたコースからはかなり離れていた。合流した泉を交えた夜の歓談は、思っていた以上にきつかった行程と、もちろん「爺さん天使」であった。予定通り翌日も続けるかどうかは起きた時の気分ということで、足にできた豆、水ぶくれ、剥がれそうな爪などを手入れして早々に床につく。

 3日目:11月1日、快晴。早朝に宿の近くの「あやめ園」を散策した後、きのうの苦しみを忘れたかのように出発。利根川まで水郷名物の「娘(婆さん)船頭」が漕ぐ「嫁入り舟」に乗ろうといった泉の案に、きのうショートした距離を取り返すためといって山田、榎本、川合は歩きを主張し、横利根川沿いに利根川に出て、水郷大橋(全長535.25m)を渡り本コースの堤防に2時間ほどかけてたどりつく。そこから約1時間、第一回目の最終地点となる「神埼大橋(全長535.4m)」、河口から49キロ、に到着。泉曰く「歩いてばかりじゃつまらない。もっと周辺の観光を楽しんだり、せっかく利根川を歩くのだからせめてうなぎを食べなきゃあ」・・・


潮来 ホテル前の「あやめ園」 左から2番目が泉(5組) (※クリックで拡大します)


海から49キロ地点。後方の橋は「神崎大橋」 (※クリックで拡大します)



※第1回利根川歩きコース略図-その2(クリックで拡大します。)


“第1回利根川 川歩き(平成19年10月30日~11月1日)その2” への1件のフィードバック

  1. 川合明 says:

    こんなところに日記発見!本当にあるいてばっかり!無理しないでね。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です