12期の広場

12期の広場

山本芳彦君(8組)のこと

8組  川村 浩一

 春まだ浅い2月、山本君の奥様のご案内で山本君のお墓にお参りしてきました。見晴らしのよい三田市霊苑に山本君は眠っています。春は桜がきれいなところだそうです。

 昨年7回忌を前にお墓はできました。

(写真説明:奥様と)

 墓碑に“the addition formula on hyperelliptic curves” (超楕円曲線の加法公式)のグラフが刻まれています。

 山本君の専門は整数論だそうです。数学の素養のある方は山本君のテキスト「現代数学への入門 数論入門」(岩波書店)のp292あたりを読んでください。

(写真説明:数論入門 山本芳彦著(岩波書店)増刷は続いているようです。)
 

 このグラフのほかにも山本君が好きだった音楽(ト音記号と音符)、星、桜が刻まれています。写真でも見えますね。
お墓参りの後、まだ山本君の生前のままのお宅にお邪魔し、奥様から思い出などお聞きしました。仕事場には専門書や教養書がぎっしりと並んでおり、オーディオルームには立派なオーディオ機やCD、レコード(フルトヴェングラーやフィッシャー-ディスカウなどのクラシックに並んで山口百恵などもあった。)がそのままに残されています。奥さまやご家族の山本君への思いが偲ばれます。


 数学者の日常生活、家庭生活はどのようなものなんでしょうか?山本君は腰の軽い、よく動いてくれる夫だったそうです。御夫婦そろって三田市の「天文学のサークル」にも参加されていたとのこと。テレビ番組は音楽・美術とか自然物をよく見られていたそうです。囲碁・将棋の番組もお好みだったということですが、さもありなんという感じです。車の運転はされていませんでした。運転中に深く考え込むと危険だと思っておられたようです。(私の近所の京大の数学の名誉教授も運転はしません。同じ理由なのでしょうね。孫煩悩な好々爺です。)

 山本君は昭和16年9月25日に市岡元町の鉄工所の長男として生まれました。亡くなったのは奇しくも平成16年9月26日。阪大大学院理学研究科の現役の教授のまま(定年まであと半年を残して)亡くなりましたが、亡くなる2日前には自宅にゼミ生を呼んでゼミを開き、63歳の誕生日には63本分のローソクを立ててお祝いをしました。亡くなる当日はいつもの散歩道を散歩されたそうです。


 肺がんが3年前に発見され脳にも転移していたそうですが、車いすで大学に出かけ、入院中は病院に学生を呼んで指導を続けたとのこと。高校時代の山本君とつながっている姿です。われわれもこのような最期でありたいですね。

(写真説明:若い諸君の中には山本君監修の教科書を使った人もいるでしょう。かなりレベルの高い教科書です。)


写真説明:お似合いのおしどり夫婦だったようです。


写真説明:講演中の山本君(1998/8 山口にて)

“山本芳彦君(8組)のこと” への4件のフィードバック

  1. 北村彰一 says:

    最後まで読んで阪大教授としての山本君のことがよく判りました。
    市岡で山本君は図書部におられた関係で絶えずお会いしていました。
    最後のゼミのことなど山本君らしいと感銘を受けました。
    お墓は生前の彼の設計だったのでしょうか。川村君いろいろ有難う御座います。

  2. 川村浩一 says:

    北村先生、ありがとうございます。
    われわれの同期会にもいつもご臨席いただき、うれしく思っていました。

    お墓の設計は奥様です。山本君の好きだったものをみんな詰め込んだ感じで
    お話を聞いていてもほほえましく感じました。

  3. 金本美智子 says:

    本当に思いがけない再会です。十二期のこのコーナーがなければ そして川村様のこのように
    お優しい行為がなければ私は お目にかかれることもなかったと思います。数年前に新聞で 
    ご不幸を知りました。 残念で 残念でしかたが有りませんでした。山本さんとは、家が近くと云う事もあって 数学の苦手な私は、時々お家におじゃまして教えていただいたりまた
    ノートを借りたり 随分助けていただきました。通学の時も市岡五丁目から高校の三丁目まで ご一緒することが多々あり 随分ゆっくりとした 歩き方をされる方だと 温和な性格を
    驚きの目で観察?することも.。この方は、どの様な大人に成られるのかと。。。大学の事は
    存じませんでした。何十年経って お礼を申し上げたいと思いまして、高知から無理して同窓
    会に出席致しましたが 山本さんが来られてなくてとても残念に思い又お礼も言えず、心残りでした。この様なかたちで お目にかかるとは。。。でも お幸せそうなご夫妻であられたと
    嬉しくほっと致しました。当時のそのままの 温厚な方だと。。。心からのご冥福と有難う御座いましたと 申し上げます。 川村様 有難う。

  4. 川村浩一 says:

    金本様、コメントありがとうございました。
    山本君とは同じクラスで、かなり山本君のことを知っているつもりでしたが、(当然と言えば当然ですが)知らない一面もあったのですね。
    せっかくの「12期の広場」です。小学校、中学校の山本君、高校時代の山本君、大学での山本君についてコメントいただくと山本君の供養、ご冥福をお祈りすることにもなると思います。
    もう一度、金本さん、ありがとうございました。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です