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0年

「12期の広場」8月号のラインアップ

 夏本番ですが今年の梅雨は九州に甚大な被害をもたらしました。あらためて日本列島のいたるところが、自然災害の脅威にさらされていることを実感し、その上にフクシマのような人災が加わらぬことを願うばかりです。

 一方で雨は恵をもたらし、山や里に緑を加え、川や海を豊かにします。日本は資源小国と云われますが、緑と水、太陽や風・地熱のエネルギー、長い海岸線と海底に眠る潜在資源などを考えれば、なかなかの資源大国なのかもしれません。鍵はこれらを生かす智慧と工夫ではないでしょうか、そして政治。

 梅雨払い、暑気払いにと、そんな自然を訪ねてきました。高校時代から50余年ぶりの加賀の白山です。山岳部の榎本、興梠そして亡き松永君に尻を叩かれながらの思い出が鮮やかですが、肝心の山の姿はなにも覚えておらず、アプローチの交通の便や山道がすっかり良くなったのに驚くばかりです。花の名山と云われるだけあって、黒ユリやハクサンコザクラなどの高山植物が咲き乱れ、梅雨の晴れ間のラッキーな登頂とともに、とても印象深い山旅となりました。



 中高年の遭難ばかりがとりあげられる昨今の登山事情ですが、最近うれしいニュースがありました。登山家・竹内洋岳さんがヒマラヤの8千メートル峰14座の全山登頂を果たしたのです。酸素やシェルパに頼らないアルパインスタイルと云われる困難なやり方で、日本人として初の快挙です。一般には関心のうすい話題ですが、野球やサッカー、ロンドンオリンピックのアスリート達とともに、日本の若い世代の、世界を舞台にした活躍に元気づけられる思いがします。熟年世代もただ憂えたり、遊び呆けていないで、苦闘の戦後復興に続く高度成長をエンジョイさせていただいたお返しに、何かお役に立てよ、との内なる声も聞こえてきそうです。

 さはさりながら、この暑さ。ビールでも片手に気楽に8月の「広場」をお楽しみください。

 
 今月号のラインアップは以下の二編です。
  1. ドラゴンズVSタイガ-ス    6組   小野義雄
  2. 「大阪の古地図」展を見て    7組   張 志朗

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ドラゴンズVSタイガース

6組 小野義雄

 無人の教室で、学生のテープレコーダ群に向かって、教授のテープレコーダが講義を続けるという映画の愉快なシーンを覚えておられる方が多いと思います。

 近年では、インターネットが卒業論文作成に悪用されることがあり、盗作ともいえるそのような論文を検証するソフトウェアの開発もなされているとのことです。インターネットが普及し始めてまだ20年ほどですが、ネットを通じて利用可能な情報量はすでに天文学的であり、どんなこともすぐに教えてくれる便利なツールになっています。

 大学での非常勤講師を長年行っていますが、知識伝達のみの場ではなく、問題解決力の育成につながる講義であることが大切であると考えています。
 

 H-Ⅱロケット開発の中頃、社長から「ロケット屋は江戸時代の駕籠かきのようなもの」と言われ、私はロケットプログラムから離れ、ロケットで運んでもらう製品分野を模索することになりました。総合電機メーカーの牙城である衛星ビジネスにちょっかいを出すのではなく、すでに開発が始まっていた宇宙ステーションへの物資の運搬を担う補給機に狙いを定め、NASAのスペースシャトルに似た無人小型機の耐熱構造の開発等に膨大な社内研究費を使い、肩身の狭い思いをしていました。そのような折、H-Ⅱロケット初号機で何を打ち上げるべきかという議論がはじまりました。

中華鍋のようなOREX
 NASA研究所への出張中に目にした木星への突入機からヒントを得て、無人小型機の先頭部分をロケットで打ち上げて、地球を周回後に太平洋にパラシュートで着水させるアイデアが閃き、その構想と開発計画が採用され、OREXという愛称を戴いて約2年半で開発し(左の写真)、H-Ⅱロケット初号機とともに完璧な飛行を成し遂げました。

 地表への帰還時の周囲の空気は1万度を超えることから、先端の中華鍋のような部分はカーボン/カーボンと称される炭素のみの材料で、表面には高温でも酸化しない炭化珪素層を作り、空気中でも約1400℃まで耐える構造です。その後方の円錐形部分は約1000℃まで耐える断熱性の良いシリカタイルで覆っています。この機体の内部には推進剤タンク、誘導制御用電子機器、計測データの記録/送信機やパラシュートなどがぎっしりです。背面も耐熱性の特殊な布で保護され、小型ロケットエンジンやアンテナが搭載されています。

 ロケットは地上から少しでも離れると後戻りは出来ないことから、初号機からいきなり実用飛行と何ら変わりないのです。そのため徹底的な解析検証や、飛行中の環境を地上で再現して試験を行い、その結果が多くの人によって何度もチェックされるのですが、それでも初号機の発射の瞬間は極度に緊張するものです。私達が手を叩いたり歓声をあげる姿を期待してカメラを向けていた報道陣から感想を聞かれ、「拍手や歓声どころでなく、息を止め、心臓も停まりそうでした」と答えた部分は報道価値がないようでカットされていました。

 無人小型のスペースシャトルは航空機メーカーの技術者が結集して基礎設計が進められたのですが、このプロジェクトは間もなくキャンセルされました。残念ではありましたが、技術的難度や開発コストの点から正しい判断であったと思っています。でも単にキャンセルされたのではなく、次回説明予定の片道のみの補給機にとって代わられたのです。
 

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「大阪の古地図」展を見て

7組  張 志朗

 7月10日から大阪市立福島図書館と福島区歴史研究会の共催で「大阪の古地図-福島区を中心に-」が開かれています。場所は福島図書館郷土資料展示室で、期間は10月31日までです。福島区歴史研究会には、同窓生の末廣訂君、武田博君をはじめ、市岡の先輩や後輩の皆さんも多数参加しておられ、今回の古地図の展示には末廣訂君が所蔵している明治以降の貴重な地図も展示されています。

 7月21日の土曜日の午後、同窓生の塩野憲次君を誘って行ってきました。
 展示は写真にあるように小振りな部屋、一室での展示ですが、中央に明治44年の福島地域の大型地図、その周辺に各種の「古地図」と、明治、大正、昭和の各種地図が展示されていました。
 尤も古い地図は「新板大坂之図」(明暦3年-1657年)で、それに続いて「大坂図」(天明7年-1787年)、「大坂細見図」(弘化2年-1845年)「浪華新丘図」(天保5年-1834年)、などが額やガラスケ-スに収まっています。

「大坂図」天明7年(1787年)美しい彩色地図で、右はし中段に「市岡新田」とある。

 「大坂図」「大坂細見図」の額の前で約半時間。老眼が強くなった塩野君と私は、顔を近づけ、メガネを取ったり、付けたりしての鑑賞です。それでも細かい字が読めないと、拡大鏡を図書館から借りてきました。

 美しく彩色されていて、川が縦横にはしっています。大阪城と四天王寺が大きく描かれており、西本願寺、東本願寺を含め、大阪城から西に向かって各町名が一丁目から順番に記入されていました。

 「阿波ザボリ」との記載に「私の生まれた所」と塩野君が言い、またこれが横堀、長堀などと教えてもらいました。西のはしに「市岡新田」の文字がありました。

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「12期の広場」 7月号のラインナップ

 大飯原子力発電所3,4号機の再稼働が決まり、関西の今年の夏の節電率が5~10%に見直されるそうです。7月を迎え、いよいよ夏本番となるわけですが、議論百出の「安全性」と冷房に象徴される節電が「やじろべい」の両端のようになっているような、どことなく変で、違和感を覚えるのは筆者だけでしょうか。

 今夏も近年にならっての猛暑は避け難いことでしょう。年々夏が苦手になる自身の体力を算段しては、正直、ちょっと心配しています。涼しくそして健やかに過ごす工夫をこらすことだけが庶民に出来る世の中ですが、その工夫も、打ち水、すだれによしず、風鈴、団扇に、扇風機くらいしか思い浮かびません。しかも「ヒ-トアイランドには文字通り焼け石に水」、「すだれを掛ける釘が打てない」、加えて「近所迷惑」と言われれば、団扇に扇風機しか残りませんね。(これらはもっぱら昭和に活躍した夏の必需品)

 先日K君からのメ-ルに、若い人に“サラダ記念日”について尋ねた所、ほとんどが知らないと言っていたとあり、俵万智の短歌がそえられていました。

 『「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』

 この歌集がベストセラ-になったのが、25年前、昭和の終わりだそうです。メ-ルの結びに「昭和も遠くになりました」とありました。

 「いいでしょう。こうなったら、昭和生まれらしく、団扇に扇風機、さらにひんしゅく覚悟のチジミ半袖シャツにステテコ姿で、この夏を乗り切るぞ-」などと力んでみるのですが、はてさて如何なりますことやら・・・・。

 

 さて、我が「12期の広場」7月号のラインアップは以下の通りです。

 お楽しみください。


  1. the あの頃-ジェ-ン台風の写真     6組  武田 博
  2. 平成24年 12期同窓会について      4組  酒井 八郎
  3. 液体水素との戦い             6組  小野 義雄
  4. 第2回荒川 川歩き            3組  西條 軍蔵

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「The あの頃」 ジェーン台風の写真

6組  武田 博

 今年、「福島区災害展」の開催にあわせて町内の方々から災害写真を集める機会がありました。

 その時に、私が親しくしていた方から頂いたのが、このジェーン台風時の写真です。

 私はその時は吉野小学校の3年生でした。その日は日曜日で学校は休みでした。2階の洗濯物を干す場所に通じる4畳半の部屋に3人の兄弟で震えながら外の風雨のビュービューと唸る音を聞きながら眺めていました。

現在の北港通りの写真です。
左に「江成町」の住居表示が見えます。


 
左の写真でさらに西側を撮ったものです。
玄関扉を横板で打ち付けていますが、
如何に風が強かったかを示しています。
ジェ-ン台風の時は瓦が紙のように
ペラペラと飛びガラス窓を壊しました。
(さらに…)

今年の同窓会は10月21日に決まりました。

12期同窓会幹事会代表幹事  酒井 八郎

 台風4号が、南から北へと、日本列島を縦断しましたが、各地の12期の皆さん、おかわりございませんか。

 今秋、予定されている70代最初の12期同窓会に向けて、現在までの活動内容をご報告いたします。

 今年に入り、3月の豚汁会、4月の舞州のお花見会に参加された皆さんから、同窓会開催についてのご意見をお聞きしてきました。そして、6月3日に第1回幹事会を開き、同窓会の日時をはじめ、その大枠を決定させていただきました。


 幹事会には、1組の八島節子(旧姓:軽矢)さん、2組の北浦昌子(旧姓:小寺)さん、山西邦子(旧姓:西海)さん、3組の清水誠治郎さん、4組の酒井八郎、古藤知代子さん、5組の川西庸雄さん、段中文子(旧姓:高田)さん、6組の畠平雅生さん、7組の張志朗さん、8組の川村浩一さん、塩野憲次さん、末廣訂さんの13名が参加されました。

 母校の100周年記念会館で、午後2時から約2時間かけて熱心に話し合って頂き、下記項目が決まりました。


同窓会日時 : 平成24年10月21日 (日曜日)午後1時00~
会      場 : ホテル「クライトン」(地下鉄西中島南方下車、徒歩 5分)
会      費 : 本会 ¥ 5,500- 、二次会 ¥ 1,500-
内容・形式 : 今までの内容にならうが、楽しく有意義な企画を予定する。
  1. 宇宙ロケット開発に従事してきた小野義雄さんの特別講演
  2. 「12期の広場」掲載の写真の映写
  3. 遠来の学友のスピ-チ など。
そ の 他 : 次回幹事会は8月25日とする。

 今回は『交通の便が良い所』、『本会と二次会が同一建物内で雰囲気を変えて出来る所』、
『費用がリ-ズナブルな所』をポイントに考えました。ご期待ください。

 案内状は8月下旬に発送いたします。

 12期の皆さん !! 10月21日(日曜日)予定に入れてくださいね。

(さらに…)

液体水素との戦い

6組 小野義雄

 今の若い技術者には理解困難なことですが、最初のロケット設計開始当時、算盤、計算尺と丸善の三角関数表と対数表が計算ツールであり、ロケットに搭載されていた電子装置には、今では目にすることが困難な真空管も使われていたのです。

 最初のロケットは衛星の技術開発と科学観測に使用され、実用衛星を打ち上げるには力不足であることから、初号機の成功後すぐに大型化の検討が開始されましたが、開発期間や工場設備の課題から、応急対策として米国のロケットを輸入する政策がとられて、ひまわりの名称で有名な気象観測衛星、放送衛星および通信衛星等が打ち上げられました。このロケットの誘導装置がブラックボックス扱いという屈辱に耐えながら、技術者維持のために少しでも国内作業を増やすよう知恵を絞り、その次のロケットへの準備として、水素を燃料とする高性能エンジンや集積回路を使う誘導装置の研究が開始されていました。構造設計を専門とする私も不具合の山を築きながら、当時は輸入せざるを得なかった大型タンクの国産化を実現してロケット自主開発への道を拓くとともに、20年後の宇宙ステーション開発につながる基盤技術の一つになりました。最初の国産タンクを使ったロケットの発射の瞬間(左の写真)、私の心臓が破裂寸前であったことを今も鮮明に覚えています。

(さらに…)

第2回荒川 川歩き(平成24年5月27日~28日)

3組 西條 軍蔵

<一日目 5月27日(日)>

 JR赤羽駅午前8時30分集合

 今回もフルメンバー 泉、榎本、大石橋、川合、山田、西條の6名。
駅前で毎度のコンビニ弁当を買い、前回の終点・新荒川大橋より川歩きを開始する。

新河岸川の橋の上から上流の新荒川大橋を
望む(右側に荒川がある)撮影 榎本
道標のそばにあるサッカー場
 
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【12期の広場】HP編集委員からのお知らせ

 いつも「12期の広場」を愛読して頂き有難うございます。
つきましては、愛読者からバックナンバーを読みたいがどうしたらいいのですか?という質問を戴きました。とてもいい質問をしていただいたと感謝しております。有難うございました。

 そこで、ご質問にお答えするのと同時に使いやすくしましたのでお知らせ致します。
まず、市岡高校同窓会ホームページから入っていただき、「同期会」→「12期の広場」まで進んでいただきます。その画面の一番上に12期の広場の題字があり、すぐ下に、左側 掲載年月で絞り込み と右側 ≫12期バックナンバー一覧 があります。

 掲載年月で絞り込み:年月の矢印Vをクリックすると年月が表示されます。ご希望の年月を選んでクリックして下さい。その年月の記事全てを見ることが出来ます。
 右側の ≫12期バックナンバー一覧 をクリックすると、年月順に、記事名、執筆者名が一覧で表示されます。ご希望の記事名にポインターを当ててクリックすると、その記事を見ることが出来ます。この両者を使い分けていただければ、お探しのバックナンバーを素早く探すことができるようになっています。

 バックナンバーをあらためて読み直しましたところ、本当に面白いですね。特に「連載」の記事は、その続きが探しやすくなりましたので便利だと思いました。

 今後とも「12期の広場」をより楽しんで戴きたく切にお願い致します。


「 12期の広場 」6月号のラインナップ

 6月と言えば梅雨。でも今年は5月でも竜巻やヒョウがあり相当の被害が出ましたね。同窓生の皆様には被災されなかったことを願っています。

 6月の花と言えば、やはり紫陽花がいいですね。種類も豊富で色も多いです。しかも咲き始めから日が経つにつれて色が変わっていき存分に楽しめます。

 そして6月といえばスーパークールビズ。5月から始まったクールビズが6月からはスーパーになるのですね。電力事情がそうさせるのでしょうが、我々の年代では「ガマンが大切」と幼い時から身についているので若い人よりはマシでしょう。むしろガマンしすぎて倒れないかと心配するほどです。暑い夏場も含めて体調には充分気をつけなければいけないですね。

 5月に遡ると5月21日には金環日食がありました。日本中が天を仰ぎ見て太陽を観察しました。一気に宇宙への関心が少年たちの間に広がったとニュースで報じられました。翌日の22日には東京スカイツリーが一般公開。あいにくの雨でしたがこの日に上りたかったです。それというのも家内の誕生日だったので、サプライズを願って8通も申し込んだのですが全てハズレでした。残念無念。

 さて、6月号の「12期の広場」は天を仰ぎ見た宇宙開発の記事があります。6組の小野義雄君がJAXAでのお仕事を書いてくれています。今までの集大成として連載になる予定です。そして7組の伊東慎一郎君と張志朗君は兵庫と奈良の市岡歩こう会に参加された記事です。市岡の歴史を感じる2編です。ぜひこの3編をお楽しみいただいて筆者に暖かいコメントをお願いします。

  1. ロケット技術者への道」           6組 小野 義雄
  2. 第20回 兵庫市岡歩こう会に参加して」   7組 伊東 慎一郎 
  3. 奈良市岡歩こう会に行ってきました」     7組 張  志朗