12期の広場

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ふるさとは遠きにありて思ふもの

7組   児嶋 雄二 

 市岡でどんなことを学んだのだろうか、と思い起こそうとしてもなかなか出てきません。ただ、僅かに神沢先生の、日本近代詩の流れを辿る授業で知った、室生犀星の詩集『抒情小曲集』中の一篇「小景異情その二」が、何故か、深い水底から気泡が浮かび上がってくるかのように思い出されることがあります。犀星がこの抒情詩に詠み込んだ寂寥や哀切の想いが、当時、多感な少年期にあった私の琴線に強く触れたせいでしょうか。

 

 ところで、昨今、世間の話題の中心にあるのは、際立つマスメディアへの露出で注目を浴びる橋下徹さんではないでしょうか。私にとっては、かつて勤めた古巣の職場で、市長の椅子に座ってその一挙一動が報道される人物だけに尚更関心があるのです。

 以下は、OB全般の思いではなく、また市長の方針の下に職務を遂行している現役市職員が感じていることでもありません。あくまでも私個人の考えに過ぎないのですが、その行政手法の特色は、こういうことだと思います。

 その第一は、タレント弁護士時代に身に付けた巧みなメディア戦略を駆使していることです。自分が「不都合・不要」と判断した対象をメディアの前で繰り返し徹底的に叩く。社会が閉塞状況にあるだけに、捌け口を求めている人々がこれを見て溜飲を下げ、共感を覚えていく。このように当面の目的とするところを実現し得る環境を整えていく訳ですが、その政治感覚ないし技術は見事と言う他ありません。

 しかし、その手法には社会の多様性を認めようとする姿勢が余り見えません。橋下さんの改革・見直しにかける熱意は認めますが、市民生活に密接に関係することが多いだけに、その実施に当たっては、長期的・体系的な見通しの下に精緻な評価・検証作業をオ-プンな場ですることが必要だと思います。これまでに、このような作業が現実に橋下改革において行われていると聞いたことは有りませんが、いずれにせよ、この点に関わって橋下改革の評価も決まってくることになるでしょう。

 それから、これはよく言われることなのですが、オ-ケストラとか美術館、或いは大阪が世界に誇りうる伝統芸術・文楽とか南港の野鳥公園への対処のように、どうも文化行政が金銭的な収支計算を最重要視して取り扱いが決められているのではないか、と感じます。


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荒川安子さんの書を見て

 昨年の11月27日、川村浩一君を誘って「第52回璞社書展」に行ってきました。

 主催は「書道研究 璞社」、後援は読売新聞大阪本社・読売テレビ・大阪市で、年1回の開催ですから52年にわたる書展です。作品は「書道研究 璞社」の役員、正会員、準会員、公募の部と数え切れません。会場の大阪市立美術館地下展覧会室1,2,3室のすべてを使っての展示でした。

 私がこの書展に行ったのは、同窓生の荒川安子さん(3年1組)から案内状を頂き関心をもったからです。意識して書展に行くのは二度目。特に今回は市岡高校在学時代に書道をお教えいただいた江口大象先生にお会いできるかもとの期待もありました。

 会場に到着後、早速、荒川さんの暖かい出迎えを受けました。荒川さんとは電話で何回か話をさせていただいていましたが、卒業35周年記念同窓会以来の再会で元気印そのものです。江口先生がいらっしゃるということでまずは先生にご挨拶。

江口先生の作品の前で記念撮影です。
荒川さんの右側が江口先生です。

 短い時間でしたが私達の在学時代、書道のほかに国語も担当しておられたことなど当時のなつかしいお話を聞かせていただいたばかりか、1月に開かれる「第57 回 現代書道二十人展」(2~8日東京松阪屋上野店、10~15日高島屋大阪店、26~2/3日名古屋松阪屋)招待券を頂戴しました。江口先生は、この書展を主催された璞社の会長であるとともに、日本の代表的な現代書家のお一人です。

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「12期の広場」 12月号ラインナップ

 今年は何かにつけて「身近に感じたこと」があります。まだまだ元気だと思っていたのに体調を崩してしまったこと。いよいよ自分にも来る時が来たのかと身構えて丁寧にお付き合いをしています。

 次に、10年以上前の同窓会で8組辻紘一郎君からお話を聞いていた「再生医療」もIPS細胞がノーベル賞を受賞して、マスコミ等の丁寧な解説を聞いて一気に身近になりました。遠い夢の様な感じで脳裏の片隅にあったのですが、表舞台に現れてすっきりとしたのは筆者だけでしょうか。

 また、10月の同窓会での6組小野義雄君の講演で「宇宙」が身近に感じるようになりました。宇宙は大きくて「地球はどこに浮かんでいるのだろう」と単純に不思議だったからそれ以上追求するのをやめて逃避していました。今は宇宙をもっと利用出来ないかと夢は膨らみます。

 そして11月の解散劇です。政治が身近に感じるようになりました。今までは「高度な政治的判断」という高級な言葉に惑わされて、わけが分からず政治が遠くにありましたが、大阪発「第3極」がとりざたされて、わかりやすくなりましたね。高級な言葉より実践がわかりやすくしたようです。昭和30年代後半に「大阪に行って勉強して来い」と言われた時がありました。いま再びそのようなときが訪れたと実感しましたね。

 いよいよ今日から12月。選挙の月でもあります。大阪発の結果も楽しみです。大阪から日本を良くするとなれば、古希を過ぎた筆者としてはもうひと頑張りせずにはいられない。来年はそんな年になるのかもしれません。

 

 12月号のラインアップは次の通りです。お楽しみください。

 
  1. 同窓生近況短信(最終)」-出欠返信書から-
  2. 第21回兵庫市岡歩こう会       6組  高見 政博
  3. 日曜日の尋ねびと             3組  高橋 要
  4. 生月島漂流記               6組  駒崎 雅哉
 
以 上

同窓生の近況短信 (最終)

 出欠返信書のコメント欄にたくさんの同窓生からメッセ-ジをいただきました。本来ならば11月号に纏めて掲載すべきでしたが、ご本人の了解をいただく作業が遅れたため、11月号に続いてここに掲載いたします。

市岡高校12期 同窓会幹事会 HP委員会
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「週1回テニスを楽しんでいます。ダンスもバレ-ももう出来ませんが、テニスだけは楽しく出来ることが不思議です。」
( 1組  上原 澄子 (旧姓 大川) 沼津市在住 )   *欠席
 
「年令相応に元気に過ごしております。家族の病気等、そこそこ忙しく生活していますが、旅行等も入れて、余生を充分楽しく送っています。」
( 1組  北野 純子 (旧姓 丹田) 豊中市在住 )   *欠席
 
「カメラ教室に通い、写真を撮りに行って楽しんでいます。今年も横浜SOGOで写真展に出展します。
3年前に20日間、南米(イグアスの滝、クスコ、マチュピチュなど・・・)に行ってきました。空の色が美しく、太陽の光が違うようでした。」
( 2組  鹿谷 明子 (旧姓 谷野)  横浜市在住 )   *欠席
 
「13年間続けているスポ-ツジムでのプログラムも年令と共に激しいエアロビクスは膝が痛むので出来なくなり、水泳や水中エアロビクスに切り替え、ヒップホップダンスだけはエグザエルの曲に合わせて楽しんでいます。海外旅行も10回以上を越え、パック旅行から個人滞在型(一カ所宿泊でその町に暮らすような)旅行に替えてきました。(今年はオランダでした。)元気な間にヨ-ロッパをもっともっと旅したいと思っています。」
( 2組  藤本 加奈子 (旧姓 井堀)  西宮市在住 )   *欠席
 
「数年前、死地をどうにか脱し、以後リハビリの毎日です。特別講演の企画はすばらしいですから今後も機会があればお続けください。」
( 3組  松村 勝二郎   神戸市在住 )  *欠席
 
「3年続けたインドネシア人介護士候補者の日本語教育も、1月の国家試験合格で締めくくり、のんびり過ごしていましたが、10月に枚方市の小学校の校長先生から電話があって、インドネシアからの帰国子女に日本語指導を始めました。
小学校入学前からインドネシアへ行って現地校に入学し、4月に5年生で戻ってきた女子児童です。週に2回、1回2時間のペースで、国語・理科・社会の授業中の児童の隣に座って分かりにくい言葉の助言をしています。僕は、インドネシア語はあまり得意ではないので、教科書を借りて難しそうな言葉の インドネシア語や やさしい日本語への言い換え、「ハヤブサ」や「帯」など言葉では理解できそうにない場合は写真など、の資料を事前に準備するのにけっこう時間がかかっています。
 孫と同じ年代児童たちに囲まれ、昼にかかった日には給食も一緒にいただいたり、ビデオなども使った最近の授業を聴いたりするのも、ボケ防止に役だつと楽しみながら工夫しているこの頃です。」
( 4組  藤田 勝利 枚方市在住 )   *出席
 
「私は昨年7月主人が亡くなり、きままな一人暮らしをしております。今年は年相応の山登り(金剛山はもう少しで1300回達成)とババさんコ-ラスでそれなりに楽しく過ごしております。」
( 4組  藤井 正枝 (旧姓 鍋島)  堺市在住 )   *欠席
 
「関東での生活が48年になりました。幸い健康に恵まれスロ-なライフを楽しんでいます。東京の同期同窓会には必ず出席して楽しんでいます。今回は連絡いただきましたが、先約があり欠席します。『12期の広場』ホ-ムペ-ジ9月を初めて見ました。毎月初めを楽しみにしたいと思っています。」
( 5組  阿部 清二   川崎市在住 )   *欠席
 
「12期の広場、ホ-ムペ-ジの公開を全く知らず今回の御案内で初めてアクセスさせてもらいました。同窓生の日々の多様な生活ぶり等、親しくなつかしく、叉今なおおとろえぬ力、勢いに感動させられました。ありがとうございます。これからも楽しみにアクセスを続けたいと思います。」
( 5組  稲葉 勝也   宝塚市在住 )   *出席
 
「10年目を迎えたここ長崎県生月島での離島暮らしも企業年金の減額で家賃が払えなく成り、10月末で帰阪する事にした。帰阪後は関電への反原発と近所の年寄りを集めてマ-ジャンでもと考えている。次回からの同窓会には参加出来るでしょう。」
( 6組  駒崎 雅哉   平戸市在住 )   *欠席
 
「地域公民館活動も卒業させて頂き、現在、非常勤の仕事もしておりますが、これもボチボチ引退させて頂こうと考えております。全て引退して楽になろうかと思いますが、今までお世話になっていたと考えれば、これからも人付き合いは続けねばと思います。一生人付き合いは消える事はないと思います。」
( 7組  田中 健治   大牟田市在住 )   *欠席
 
「停年退職後11年経過して1パタ-ンの生活リズムが定着したようです。朝4時起床、そこから運動を兼ねた仕事を約3時間、以後は読書を主にした自由時間を楽しみ、夕方になると草花への水やり、6時を定刻に焼酎のお湯割り2杯と夕食をユックリと味わう。10時就寝。
以上の流れですが、これに今年中には新たに厨房作業を加えようと考えています。お陰様で至って健康に毎日を過ごしています。」
( 7組  新田 隆三   川西市在住 )   *欠席
 
「本年始めに体調をくずし、2カ月入院しました。今夏の酷暑にバテているのが現状です。阪神の震災後、住宅再建(全壊)した直後から、両親と実兄(障害者)の介護に追われる中、次々と他界して行きました。昨年末に気の緩みからか体調を崩した次第です。震災からあっという間の17年でした。元気でお過ごし下さい。」
( 8組  田中 博之   神戸市在住 )   *欠席

第21回兵庫市岡歩こう会

6組   高見 政博
 

 11年目に入った兵庫市岡歩こう会。21回目の今回は「日笠山ハイキング」です。
日笠山は兵庫県高砂市の東南に位置する小さな山で、コースの最高点は100m足らずですが、地元では子供から高齢者まで手軽なハイキングコースとして幅広く親しまれています。

 参加者の高齢化が進む兵庫市岡歩こう会でも気軽に参加していただける所と思い企画しました。しかし、実施日の11月4日10時30分、山陽電鉄曽根駅に集まったのは幹事も含めて18名。今までの最少人数でした。やはり場所が遠いからかと反省。

 12期生は高尾昌之さんと私の2名。最高齢は86歳の江本先生。次が83歳になる旧制中学42期の3名の大先輩。皆さんのお元気さに「若手」は圧倒されます。

 歩きはじめてすぐ菅原道真ゆかりの「曽根天満宮」。七五三の時期とあって境内には着飾った子供たちが、これも着飾った親たちに連れられてお参りをしています。

 天満宮を出て民家の中のゆるやかな坂を登って行くと、およそ30分で標高62mの日笠山山頂。ここは桜の名所で春の花見の時期には大勢の人で賑わうとのこと。山頂は広場になっていて播磨灘も見られます。ここから道は細い山道になり、今回一番の急坂を登ります。息が上がりかけた頃に夫婦岩に到着。辺りには兵庫県の県花「野路菊」が植えられています。今年は残暑が厳しかったせいか、残念ながら、ちらほらとしか咲いていません。ここは眺望もすばらしく、眼下に加古川の工場地帯から播磨灘、遠く左に淡路島、右に家島が一望できます。

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日曜日の尋ねびと

3組   髙橋 要

 久しぶりの同窓会でした。

 先生方がそれぞれにお元気そうで何よりでした。北村先生からはわたしも読書感想文を返していただき、思いがけないプレゼントにびっくりいたしました。先生の授業中は、申し訳ないことによく寝込んでしまっていて「僕の授業、フランス革命あたりでおもしろくなります」というお声も夢のなかに残ったようです。

 西田先生の訃報に接し、バレーボール部で3年間お世話になったさまざまな記憶が頭の中を駆け巡りました。また同期の部員であった池上昇君についで、林清矩君が亡くなったことも知りました。池上君の死を連絡してきた彼の電話口での声が鮮明に蘇ります。

 

 「12期の広場」のことを最近になって知りました。寄稿された文章を読むにつけて感慨もひとしお、とりわけ武田博君の「the あの頃―ジェーン台風の写真」(12年7月号)のインパクトは、60余年前の災害と時代の空気とでもいうべきものをいっきに目の前に手繰り寄せてくれました。当時西淀川区の姫島小学校3年生だった私も武田君と同じような体験をしたのです。

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生月島漂流記

6組 駒崎雅哉
(一)

 2001年9月11日の米国での事件を駐在先のシカゴで経験した私は、ひたすら米国旗を車の後ろに結び付け街中を走り回るアメリカ人を見てやるせ ない気持ちになった。つまりグローバリズムの名の下に世界中に害毒を振りまく米国に対するアラブ側の自爆攻撃に直面していささかの自省することもなく、自 国旗に自らの正当性を求めるアメリカ国民に暗澹とせざるを得なかった。同年12月に米国で定年退職を迎え、会社に残ることなく退社し、2003年ピース・ ボートにて世界1周し(途上計画していたイスラエル訪問は、紛争ぼっ発の為実現しなかったが)翌2004年5月より、橋で繋がった島としては、日本最西端 に位置する生月島での一人暮らしを始めた。

 家を出る経緯については、省略するが、当初は、鴨長明又は吉田兼好の生活スタイルが目的で「方丈記」と「徒然草」を持って出たものの爾来8年半、今や島の生活にドップリ浸かってしまいミイラ化している自分に呆れている。
50cmのコチをつり上げた。

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「12期の広場」 11月号のラインアップ

 「あの校庭 図書館、食堂 体育館 思いで鮮やか 市岡高校」 (北浦昌子-3年2組)
 

 月並みな言い方にはなりますが、やはり同窓会は時空を越えての感慨が去来するものですね。

 すっかり忘れてしまっていた思い出が薄皮をはぐように徐々に蘇り、懐かしさやうれしさなど、めぐる思いに心が浮き立ちます。また50数年の歳月を経て、席を同じくするばかりか、共に感じ合い、ともに響く合うことの不思議さに、今更ながらと驚かされます。

 これらを「偶然」と呼ぶのか「必然」と呼ぶのかよく分かりませんが、もっとも多感な季節と熱い時代に市岡高校で学び、そして「私達の時代」を共に生きてきた12期同窓会ならではの感慨であることだけは、間違いないようです。

 さらに2012同窓会は「宇宙のロマンと謎」(小野義雄君の特別講演)と「55年前の読書感想文」(北村先生からの返却)がそのビッグイベントなりました。


 さて今月号のラインアップは「2012 同窓会」の特集です。お楽しみ下さい。

 
  1. 2012同窓会が開催されました。
  2. 読書感想文のこと」             北村 彰一 先生
  3. 12期同窓会を終えて」           酒井 八郎
  4. 二年後にまた、お会いしましょう」      北浦 昌子
  5. 同窓生近況短信-②」-出欠返信書から-
  6. 同窓会写真集」-小野君の講演資料を含む。

大阪府立市岡高等学校第12期生2012同窓会が開かれました。

 大阪府立市岡高等学校第12期生2012同窓会が10月21日、午後1時30分から開催されました。

  この日は抜けるような秋晴れでした。同窓会の会場は地下鉄西中島南方のクライトンホテル新大阪2階宴会場で、恩師4名、同窓生65名の総勢69名が参加さ れました。ご臨席頂いた恩師の先生方は、北村彰一先生、江本義文先生、御前保子先生、福井金治先生で、同窓生は関西在住が中心でしたが、仙台から佐藤裕久 君、千葉から重松清弘君、東京から泉信也君、神奈川から東野節雄君、新潟から佐々木康之君、愛知から小野義雄君、広島から辻紘一郎君の遠来の友、7名も馳 せ参じてくれました。

 午後1時から受け付け開始、なつかしい学友達が次々と集まってくれました。

受付ホ-ルでの握手に力が入ります。
 
「宇宙よもやま話」で宇宙のロマンと謎に魅了され-講演の部
 

 定刻1時30分に特別講演の部が開会。「宇宙よもやま話」の演題で小野義雄君(3年6組)が30分の講演を行いました。

 小野義雄君は、名古屋大学工学部航空学科修士課程卒業後に三菱重工入社、宇宙ロケットシステムおよび構造設計や宇宙ステ-ション開発プロジェクトマネ-ジャ-に従事され平成12年NASDA(現 JAXA)に入社されるなど、一貫して日本の宇宙開発に技術者としてたずさわってこられました。現在もJAXAの客員ならびに九州工業大学非常勤講師をつとめておられ、今年の7月21日、宇宙ステ-ションへの輸送ロケット「こうのとり3号機」の発射時には種子島宇宙センタ-の射場で立ち会われたそうです。

小野義雄君の講演写真

 講演ではDVDを使った「宇宙ステ-ション開発史」の紹介の後、後掲の資料を使って分かりやすく、また興味深い「よもやま話」を紹介していただきました。

 講演は大好評で、恩師の先生方はじめ同窓生皆さんは、地上400km上空、秒速8kmで地球を周回する「国際宇宙ステ-ション」の映像に大いに感嘆すると同時に、その困難に立ち向かう胆力と技術力、はるか彼方の宇宙空間を今も飛行するボイジャ-とダ-クマタ-に代表される「宇宙のロマンと謎」にすっかり魅了されたようでした。

 30数分もあっという間で、質疑応答の時間が取れなかったのが、いまでも残念です。

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読書感想文のこと

北村 彰一

 12期生の皆さんの入学された四月、私は新卒で市岡に採用して頂きました。

 夏休み前、市岡社会科の伝統ある読書感想文を江本先生のご指導もあり宿題として出しました。

 百冊ほどの本を参考にプリントし、自由に決めてもらいました。9月良く読まして貰いすぐ返すべき成績物ですが授業中に利用出来ると思い保管し3月に返し忘れました。

 ずっと持っていたいという潜在心理があったのかも知れません。宿題を拝見し解説などの丸写しでなく、年齢以上の深い思想、洞察力を発見しました。さすが学区のトップクラスの方々と納得しました。返却時、誰かが批評が無いといわれましたが、軽率に書けない状況でした。

 その後のご発展、「みおつくし」(注:卒業50周年記念文集)の記事、「12期生の広場」より知らされることは当然予想されることだったのですね。「栴檀は双葉より芳し」は褒めすぎでしょうか。       

 選んだ本は戦後十年余りの世相、世界情勢を反映していました。

 55年で世界は変わり宇宙ロケットの講演を拝聴させて頂くようになりました。1957年赴任の年、ソ連の初の人工衛星の発する電波音を宿直室で聞いたのを覚えています。

 さて多数の宿題がまだ手許にあります。ご希望の方は、現住所明記でお知らせください。罪滅ぼしに郵送させて貰います。

 数人一枚目が紛失し名が判らず返せない方がおられます。転校生とかなりの方の作文が残っていて世の中いろいろを感じます。

 みおつくしの上野さんの記事によると12期同期会は十回になり私は運よく全部出席出来ました。